中小企業にとってのIT予算の立て方について、ポイントを書きたいと思います。
中小企業の場合、次の2つの視点からIT予算の計画を立てると良いでしょう。
(1)現状の業務を滞らせないために、ITシステムを正常に稼働させ続けるための予算
(2)問題を解決・改善し、一段上のITシステムを構築するための予算
潤沢な予算があるわけではないでしょうから
メインの使い方は前者のものになりますが、かといって
後者を放置していては、ITシステムを企業の成長へと繋げるのは難しくなります。
IT予算の一部だけでも良いですので、少しずつ
問題を解決・改善しながら一段上のITシステムを目指したいところです。
それでは、一段上のITシステムを目指すなら
どういった観点でIT予算の計画を立てると良いのでしょうか?
ここでは3つのポイントをあげておきたいと思います。
1つ目は、低コストな代替サービスへの乗り換えです。
IT企業が提供しているサービスには
大抵、競合他者による代替サービスが存在します。
是非、今使っているサービスを他業者のものと比較検討してください。
中には、今と同じかそれ以上の質で
今より安いコストで使えるものがあるはずです。
初期導入費用で初年度は高くつく場合もありますが
3~5年のランニングコストでみれば安くなる、というケースもあります。
質が大して低下しない、あるいは低下しても実体上問題ないのであれば
低コストなサービスへ置き換えることは、積極的にやりたいところです。
2つ目は、現場の業務効率を低下させている
ボトルネックとなっている箇所の改善です。
現在のITシステムのまずさから効率を低下させていることもあれば
そもそもIT化されていないので効率が悪いとこともあるでしょう。
ITは道具です。
道具は、それがあることで便利になるから
今までできなかったことができるようになるから、使うものです。
業務効率の改善は、ITシステムの得意とする分野の1つですので
いきなり大々的な改善は無理でも、複数年かけながら
計画的に取り組んでいくことを検討してください。
3つ目は、意思決定の迅速化を目指す情報システムの構築です。
業務中に発生した情報を可能な限り早くデータ化し、共有・蓄積する。
そしてそれを必要なタイミングで必要な形で取り出し
意思決定の場面で利用する。
そんな情報システムを構築することができれば
企業の経営をしっかりとサポートできます。
先にあげた2つの改善が先になるかとは思いますが
可能ならばここまで考慮したIT予算を立てておきたいものです。
以上、前回と合わせて、IT予算の立て方についてお伝えしました。